〜成功体験のデザイン〜
「できた！」は、心のエネルギーになる
ピアノを弾いて音が鳴る。
それだけでも、最初の一歩では立派な「できた！」です。
子どもたちが小さな成功を重ねると、
その喜びが心の奥に“エネルギー”としてたまっていきます。
そのエネルギーが次の挑戦の原動力になり、
やがて「自信」へと形を変えていくのです。
“できた！”を感じられる環境をつくる
大人の目線で見ると、「まだここが足りない」と思うこともあるでしょう。
でも、子どもの目線では、たった一つ音が出せたこと、
指が動いたこと、それだけでも大きな達成。
レッスンでは、結果よりも“過程”を見守ります。
挑戦したこと、あきらめなかったこと、工夫したこと。
そのすべてが“できた！”の一部。
「できた！」を感じられる環境があるからこそ、
子どもは自然に前へ進んでいけるのです。
“できた”の先にある「もう一回やりたい！」
成功体験は、ひとつのゴールで終わるものではありません。
“できた！”と感じたとき、
子どもたちは次に「もう一回やりたい！」と動き始めます。
それは、達成よりも「成長」を楽しめる状態。
できるようになることよりも、
“できるようになっていく過程”を好きになっている証拠です。
この循環ができると、学びは自然と続いていきます。
「失敗」も、“できた”の途中にある
ときには思うようにいかない日もあります。
でも、失敗もまた、できたに向かう途中の大切な道のり。
音がずれても、止まってしまっても、
「今のどこがうまくいかなかったんだろう？」と
一緒に探す時間もレッスンの宝物です。
“失敗＝終わり”ではなく、“発見のチャンス”。
この視点を持つことで、子どもはつまずきを恐れなくなります。
“できた！”を共に喜ぶ、その瞬間が宝物
「できた！」と笑顔でこちらを見る瞬間。
その輝く表情は、何よりのごほうびです。
その瞬間を共に喜び、分かち合うことで、
「ぼくの“できた”を見てくれてる！」という安心感が生まれます。
その経験が、自分を信じる力を育てていくのです。
ピアノを通して、子どもが「自分でできた！」と感じる瞬間を増やすこと。
それが、レッスンで私が一番大切にしていることです。
まとめ
“できた！”は単なる成功ではなく、
「自分を信じられるようになる」プロセスそのもの。
失敗も、発見も、挑戦も──
全部を包み込んで「できた！」に変わるような、あたたかい時間を
これからもレッスンで育てていきます。
