〜子どもの「自分で育つ力」を大切に〜
私はこれまで長くピアノ指導を続けてきましたが、最近「モンテッソーリ教育」と出会い、深く心を動かされました。
この教育法を学ぶ中で、「子どもが自分で伸びようとする力を、環境がどう支えるか」という視点に大きなヒントを感じたのです。
ピアノレッスンでも、子どもが「やってみたい!」「できた!」と感じる瞬間を大切にしています。
それは、まさにモンテッソーリの考え方と重なるものでした。
モンテッソーリ教育とは?
モンテッソーリ教育は、イタリアの医師マリア・モンテッソーリが提唱した教育法です。
特徴は、「子どもが自ら選び、考え、行動する力=自己教育力」を育てること。
大人が一方的に教えるのではなく、
子ども自身が興味をもって「やりたい」と感じたことを通して学びます。
そのために大切にされているのが──
- 自分で選べる自由
- 集中できる環境
- 感覚を使った体験
この3つです。
脳科学が証明する“集中できる子”
最近の研究では、モンテッソーリ教育を受けた子どもたちは、
脳の中の小脳ネットワークという部分のつながりが特に強いことが分かっています。
小脳は、リズムや感覚、動きを調整する“調律師”のような役割を持つ場所。
ここがよく働くことで、集中力・注意の切り替え・判断力などが安定して発達するのです。
モンテッソーリの環境が、子どもたちの脳の「集中する力」「切り替える力」「感じる力」を自然に育てている──
これは、音楽教育にもつながるとても興味深い発見でした。
ピアノとの共通点
ピアノのレッスンでも、「感じて・選んで・自分で気づく」時間はとても大切です。
先生の指示を待つのではなく、音やリズムを通して自分の感覚を使って学ぶ。
それが、本当の意味での「生きた学び」になります。
モンテッソーリ教育を学んで改めて感じたのは、
子どもたちがもともと持っている“育とうとする力”を信じること。
それをピアノの場でも応援したい、という想いです。
これからの教室では
モンテッソーリ教育のレッスンにすべてに変えるわけではありません。
でも、子どもの主体性を大切にする部分、感覚を使って音を感じる部分など、
ピアノレッスンに通じる素晴らしい点を、少しずつ取り入れていきます。
「教える」から「育つを支える」へ。
そんな新しいレッスンの形を、これからゆっくりご紹介させていただきます。
