発表会は“成長の物語”。舞台裏にひそむもう一つのレッスン

発表会の準備が進むほど、「子どもの成長って、音の数では測れない」と、あらためて感じます。

演奏の前に、子どもの心の中ではもっと大きな成長が起きているからです。

今回は、そんな“舞台裏の成長”に光をあてます。

見えないけれど確かに育っていく力。それこそが、発表会の大きな価値のひとつです。

目次

1.「やってみたい」を言葉にする勇気

曲決め、構成、演出…

選択の場面では、子どもたちはいつも内側の声と向き合います。

・これ弾いてみたい

・少しむずかしいけど、挑戦してみたい

・本当はこう弾きたい

「やりたい」を言葉にすることは、小さな決断。

自分の望みを自覚することは、自立の第一歩です。

ピアノを通して、子どもたちは“意思の芽”を育てています。

2.本番が近づくほど、心に生まれる“輪郭”

練習を重ねるほど、子どもたちの音に輪郭が生まれます。

音が整うだけではありません。

心の輪郭がはっきりしてくるのです。

・ここは優しくしたい

・もっと堂々と弾きたい

・気持ちを乗せたい

子どもが自分の音を選び取り、形にしていく。

これは、とても大切な「感情の認知」の時間です。

3.緊張を抱えながらも前へ進む“心の筋力”

発表会の準備が進むほど、緊張も少しずつ芽生えます。

この緊張こそ、子どもたちの心が本気になっている証。

緊張と向き合い、

それでも前に進もうとする心の筋力。

こればかりは、舞台経験が最高の場ではないでしょうか。

本番の5秒前に、生徒の背筋がすっと伸びるあの瞬間。

あの姿こそ、成長そのものです。

4.当日の数分間が、長い時間を照らす

本番で弾く数分のために、

その何十倍もの時間を費やして準備してきた子どもたち。

努力は音になり、

経験は心の記憶になります。

当日のステージで放たれる音は、

子どもの「これまで」と「これから」を結ぶひとつの光。

発表会は、未来を照らす灯りです。

5.“できた”で終わらない。心の中の余韻が成長を深める

発表会のあとに訪れる余韻。

これは、子どもにとってとても貴重な時間です。

・できた

・もう少しこうしたかった

・もっと挑戦したい

この余韻の中で、子どもは自分の力を受け止め、

次の成長へと自然に向かっていきます。

発表会は、終わりではなく“次の芽吹き”です。そうあるよう導きたいと思っています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次