発表会は、単なる“発表の場”ではありません。
子どもが「表現者になる場所」です。
今回は、“表現力”がどのように舞台で育つのかを紐解きます。
目次
1.音に命が宿る瞬間
子どもが曲と向き合い続けると、ある日ふと音が変わります。
ただの“音符の再現”が、
その子の息づかいをまとい始めるのです。
この瞬間が、表現力のはじまり。
本人は気づかなくても、
音に「その子らしさ」が宿ります。
2.“伝えたい”が生まれると、音が伸びていく
レッスン中ふっとしたときに、子どもから出てくる言葉。
「ここをもっと優しくしたい」
「強く言いたい」
「色を変えたい」
この“伝えたい”の芽こそ、表現力の源。
伝えたい気持ちが生まれると、
子どもの音は自然に豊かになっていきます。
3.表現は、技術を押し上げる
表現したい気持ちが強くなると、
必要な技術が自然と身についていきます。
「指が追いつくようにしたい」
「ここを滑らかに弾きたい」
技術→表現ではなく、
実は 表現→技術 の順で成長する子は多いのです。
表現が技術を引き上げる。
子どもの学びは、とても自然な流れで進んでいきます。
4.観客という存在が、表現を育てる
目の前にお客さんがいて、
その空気の中で音を届けるという体験は、唯一無二。
ステージに上がると、
子どもの中に “新しい役割” が生まれます。
ただの習い事の一場面ではなく、
観客に向けて音を届ける表現者に変わります。
5.表現の経験は、その後の人生を支える力になる
表現の経験は、教科書では学べません。
・自分の気持ちを整理する力
・人に伝える力
・心を動かす力
・自分らしさを大切にする力
これらは、発表会の数分間の中で確かに育ちます。
ピアノは、音だけでなく“生きる力”も育ててくれるのです。
