子どもの成長を見ていると、「小さな頃からの環境が大切」ということを日々実感します。
特に2歳、3歳といった幼児期は、脳や感覚がぐんぐん育つ大切な時期です。
この時期にどんな経験をするかは、将来の学びの土台につながっていきます。
今日は、幼児期にピアノに触れることがどんな力を育てるのかをお話ししたいと思います。
幼児期は「耳の黄金期」
0歳から6歳ごろまでは、耳の発達が最も敏感に育つ「耳の黄金期」と呼ばれています。
大人が聞き分けられないような細かな音の違いも、子どもたちは自然にキャッチする力を持っています。
この時期に音楽に触れることで、
- 音の高低を聞き分ける力
- リズムを感じ取る力
- 言葉のイントネーションを理解する力
がぐんと伸びます。
実は音楽と語学は深いつながりがあり、幼児期に音楽に親しむことは、将来の外国語学習にも役立つと言われているのです。
指先は「小さな脳」
もうひとつ大切なのが「指先の発達」です。
幼児期に「手を使うこと」「指を動かすこと」は、脳の発達を促すことがわかっています。
色塗りをしたり、鉛筆で書いたりすることが好きなお子さんは、ピアノの上達も早いように思います。
最初から正しい力の入れ方と持ち方を身につけて、書く、描く✏️
こちらも、レッスンでも積極的に取り組んでいます。
ピアノは両手を別々に動かすため、自然と脳をフル回転させる練習になります。
こうした経験の積み重ねが、集中力や記憶力の向上につながっていくのです。
音楽が育てる「心の力」
音楽には「感情を表現する力」を育てる働きもあります。
たとえば、悲しい曲を聴いて「さみしい気持ちになる」、明るい曲を弾いて「元気が出る」。
「こころを自由にうごかす」経験は、子どもたちにとって心の成長につながります。
幼児期にこうした表現体験を積むことは、人とのコミュニケーションにも良い影響を与えていきます。
感情コントロール、表現すること、マンツーマンの関わりだからこそ丁寧に一緒に育てていけます。
幼児期だからこそできること
「まだ小さいのにピアノは早いのでは?」とご心配される保護者の方もいらっしゃいます。
でも、幼児期だからこそ伸ばせる力があり、遊びの延長のように音楽を楽しむことができます。
大切なのは「無理をさせないこと」。
子どものペースに合わせて、できることを一歩ずつ積み重ねていくことです。
親や先生の「できたね」ではなく、子ども自身が「できた!」と感じられることが大切です。
ピアノを通して、耳・指先・心をバランスよく育てていく。
それが、幼児期レッスンの一番の魅力だと私は感じています。
ピアノ教育で未来の力を
幼児期のレッスンは、ただ「曲が弾けるようになる」だけではありません。
- 耳を育てる
- 指先を育てる
- 心を育てる
この3つが揃うことで、子どもたちの未来に役立つ力が大きく育っていきます。
学力調査のニュースが示すように、これからの時代は「点数だけで測れない力」がますます大切になります。
社会の中で自分らしく生きていく、あたたかな心が育った人になること。長く付き合えるピアノ講師だからこそ、そんな子どもの成長を伴走したい。そう思っています。