先日、国の学力調査の結果が発表されました。
小学生・中学生の国語、算数(数学)、英語の平均点が前回より下がった、というニュースです。
「うちの子も大丈夫かしら…」とご心配になった保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私も一人の教育者として、保護者として、この結果に驚くと同時に「これからの子どもたちに必要な学びとは?」と改めて考えさせられました。
点数には表れない“学ぶ力”
学力調査で測られるのは、主に「知識を理解しているか」「解けるか」という力です。
もちろん大切な力ですが、実際に子どもたちと接していると、それだけでは測れない成長もたくさん感じます。
たとえば、
- わからない問題にすぐ諦めずに向き合える忍耐力
- 答えを工夫して見つけようとする柔軟な発想力
- 仲間と協力して挑戦する姿勢
これらはテストには出ませんが、社会に出てから必要になる力です。
注目されるSTEAM教育
そこで最近注目されているのが STEAM教育 です。
Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)。
理系と芸術を組み合わせて、創造的に考える力を育てようという考え方です。
「正しい答えを一つ出す」ことよりも、
「どう工夫したらいいか」「新しい発想をどう形にできるか」を大切にします。
ピアノとSTEAMのつながり
一見すると「ピアノは音楽だから芸術だけでは?」と思われるかもしれません。
でも実は、ピアノにはSTEAMの要素がぎゅっと詰まっています。
🎵 Science(科学) … 音の響きや振動を耳で確かめる
🎵 Technology(技術) … 正しい指使いや姿勢を身につける
🎵 Engineering(工学) … 「どうしたらもっときれいに弾けるかな?」と工夫する
🎵 Arts(芸術) … 音で気持ちを表現する
🎵 Mathematics(数学) … 拍を数え、リズムを感じる
こうして見ると、ピアノ教育そのものが自然にSTEAM教育につながっていることがわかります。
ピアノ教育にできること
私はピアノ講師として、ただ「上手に弾けるようになる」ことだけでなく、
- 集中力を育てる
- 自分で考える力を育てる
- 表現する喜びを知る
そんな成長をレッスンで大切にしています。
学力調査のニュースをきっかけに感じたのは、点数だけでなく、子どもたちが未来を切り開くための力をどう育てていけるか が重要だということです。
ピアノはその力を、楽しみながら伸ばせる学びのひとつ。
だからこそ、私は音楽教育の可能性を信じて、これからも子どもたちに寄り添っていきたいと思います。