前回は、STEAM教育とピアノ教育の共通点についてお話しました。
今回はさらに具体的に、幼児期からピアノを習うことで育まれる「STEAM的な力」について考えてみたいと思います。
目次
幼児期は「感じる力」と「考える力」が伸びる時期
2〜3歳の子どもたちは、まだ字も計算もできません。
けれど、音やリズムを感じ取り、手を動かし、声を出しながら表現することはとても得意です。
この時期に大切なのは、「できる・できない」よりも、
- 感じたことを形にする
- 試してみて、うまくいかなくても工夫する
という体験です。
まさにこれこそが、STEAM教育の基礎となる力なのです。
ピアノで育つSTEAM的な力
ピアノのレッスンの中には、自然とSTEAM的な要素が含まれています。
- Science(科学) … 音が高い・低い、強い・弱いなど、音の性質を体で理解する。
- Technology(技術) … 指や体の使い方を工夫しながら、きれいな音を出す。
- Engineering(工学) … 曲をどう組み立てて弾くか、繰り返しや変化を考える。
- Art(芸術) … 曲を自分なりに表現し、音で物語を描く。
- Mathematics(数学) … リズムや拍子を数えながら音を並べる感覚。
一見「音楽だけ」に見えるピアノの学びが、実は幅広い領域を含んでいるのです。
遊びの延長が「学び」になる
小さな子にとって、ピアノは勉強ではなく「遊び」。
でも、その遊びの中で、数を数えたり、順序を覚えたり、自分のアイデアを音で試したりしています。
たとえば「ドの音だけで雨の音を表そう!」と遊ぶと、
- 指を交互に使う工夫(Engineering)
- 音の強弱で表現(Science, Art)
- リズムを整える(Mathematics)
といった要素が自然に含まれています。
幼児期にしか育たない感覚を大切に
小学校に上がると、「正しい答えを出す力」がどんどん必要になってきます。
だからこそ、幼児期には「自由に感じて、考えて、表現する力」をたっぷり育てたい。
ピアノのレッスンは、子どもたちにとってその第一歩になれると私は思っています。
まとめ
幼児期にピアノを始めることは、単に音感やリズム感を育てるだけではありません。
- 自分で考える力
- 試行錯誤する力
- 自分の気持ちを表現する力
こうしたSTEAM教育にもつながる大切な力が、日々のレッスンの中で自然と養われていきます。
音楽の楽しさを感じながら、未来を生きる力を育てていく。
それが、私の教室で大切にしていることです。