前回は「幼児期からピアノを通して育つSTEAM的な力」についてお話しました。
今回は、もう一歩踏み込んで、ピアノのレッスンが子どもたちの 自己肯定感 をどのように育むのかを考えてみたいと思います。
目次
自己肯定感とは?
自己肯定感とは、「私はこれでいいんだ」と自分を認められる気持ちのこと。
幼児期から小学校低学年にかけて、この自己肯定感の土台がつくられていくと言われています。
大人になってからも、挑戦する力・人との関わり方・心の安定に深く関わる、とても大切な力です。
ピアノレッスンでの小さな成功体験
ピアノのレッスンでは、子どもたちが小さな成功をたくさん積み重ねられます。
- はじめて「ド」の音が鳴らせた!
- 先生と一緒にリズムが合わせられた!
- 1曲を最後まで弾けた!
こうした経験は、子どもにとって大きな自信になります。
「やればできる」「できたから嬉しい」
この繰り返しが、自己肯定感を育てるのです。
正解が一つではないからこそ
音楽の魅力は「正解がひとつではない」ことです。
たとえば、同じ曲を弾いても、明るく弾く子もいれば、しっとり弾く子もいます。
どちらも間違いではなく、それぞれの感じ方や表現が「その子らしさ」になります。
「自分の音でもいいんだ」と思えることが、子どもに安心感と自己肯定感を与えます。
褒められるより、「認められる」ことが大切
もちろん「すごいね!」と褒められるのも嬉しいものです。
でもそれ以上に、
- 「この音は雨みたいだね」
- 「やさしい音に聞こえたよ」
と、子どもが出した音や表現をそのまま受け止めてもらうこと が大切です。
レッスンの中で「あなたの音を先生が聴いているよ」と伝えることが、子どもの心を強く支えます。
自己肯定感は「音楽の力」とともに
自己肯定感は一度育てば終わりではなく、日々の体験の中で少しずつ積み重なっていきます。
ピアノのレッスンは、その積み重ねの場。
音楽を通して「できるようになった嬉しさ」と「自分らしく表現できる安心感」を味わいながら、子どもたちは心を豊かに育てていきます。
まとめ
- ピアノは小さな成功体験の積み重ねで自信を育む
- 正解がひとつでないからこそ「自分らしさ」を大切にできる
- 音を通して認めてもらう経験が、自己肯定感の土台になる
だから私は、ピアノのレッスンを「心の居場所」にしてあげたいと思っています。
ここで育った自己肯定感は、きっと子どもたちが未来に挑戦するときの大きな力になるはずです。