ピアノの先生をしている中で、忘れられない経験があります。
それは、ある生徒さんが泣いてしまい、椅子に座れないまま、結局その日は何もできずにレッスンが終わってしまった日のことです。
私もどうしたらよいのかわからず、その場にただ時間だけが流れていく…。
「このままでいいのかな?」「私の力不足なのでは…」と、自信をなくした出来事でした。
「待つ」というレッスンの姿勢
そんな時に出会ったのが【発達ゆっくりピアノレッスン マスター講座】です。
ここで学んだのは、正しい知識と、関わる大人の視点、認めて受け止める気持ち。
子ども自身が、ここは安心していい場所なんだ。この先生は受け入れてくれるんだと思えること。
環境も、声かけも、準備も。
「やらされる」ではなく「本人の気持ちが動き出すのを待つ」。
その視点を持てるようになってから、レッスンの空気が少しずつ変わっていきました。
「やりたい!」の瞬間が訪れる
泣いて座れなかった生徒さんが、ある日、自分から「やりたい!」とピアノに手を伸ばしたのです。
無理にやらせるのではなく、気持ちに寄り添って待つことで、心の中に「やってみよう」という芽が育つのだと実感しました。
この変化は、生徒さんだけでなく、私自身の気持ちにも大きな変化を与えてくれました。
一緒に作るレッスンへ
今では、私のレッスンは「先生が進める」ではなく「生徒さんと一緒に作るレッスン」へと変わっています。
できなかったことが「できた!」に変わる瞬間、子どもたちの目はキラキラと輝きます。
その喜びを一緒に感じられることが、私にとっても大きな幸せです。
自信を持って向き合えるようになった
この講座を通して得られた一番の学びは、どの子とも安心して向き合える自信 を持てたことです。
以前は「たくさんのことを教えたい、伝えたい」でも、「できなかったらどう進めようか」と多くを伝えることに
ばかり目を向けていました。
けれど今は、一つひとつの取り組みを生徒さんと一緒に感じ、受け止め、寄り添うことができるようになりました。
「できた!」の喜びをもっと多くの子へ
「できない」が「できた!」に変わる喜び。
その積み重ねは、子どもたちの自信につながり、やがて「ピアノが好き!」という気持ちを育てていきます。
これからも一人ひとりに寄り添いながら、安心して挑戦できるレッスンを大切にしていきたいと思います。