目次
自分の音で伝える楽しさを育てる
前回は「ピアノレッスンで育つ集中力」についてお話しました。
今回は、音楽ならではの魅力である 表現力 に目を向けてみたいと思います。
表現力とは何か?
「表現力」と聞くと、大人はつい「上手に弾く」「感情豊かに演奏する」という点ばかりに
目が行きがちです。
でも幼児期に大切なのは、もっとシンプルなことです。
- 大きな音と小さな音を弾き分ける
- 明るい曲とやさしい曲を感じ分ける
- 音に色や形のイメージをつけて弾いてみる
こうした体験のひとつひとつが、子どもにとっての「表現力」になっていきます。
「これがいい」と感じられる感性を築く
習いたての頃の算数の答えはひとつですが、音楽は正解がひとつではありません。
同じ曲でも、元気いっぱいに弾く子もいれば、そっとやさしく弾く子もいます。
どちらも間違いではなく、それぞれの感じ方が音にあらわれているのです。
この作曲家の曲はこう弾いたほうがいい。などもありますが、それは、
自分の中に表現する力、表現できる幅をもっているからこそ、求めていけるモノ。
まずは、様々な表現のポケットを作り、感じて、
「これがいい」と感じられる感性を築くことが、表現力を育てる第一歩になります。
レッスンでの工夫
レッスンでは、子どもたちが自然に表現できるようにいくつか工夫しています。
- 曲に合わせて体を動かす(歩く、揺れる、ジャンプする)
- 色カードや絵を見ながら「この音はどんな色?」と考える
- お話をつけて「小さなすずめが鳴いているみたいに弾こう」と想像する
体やイメージを使いながら音を感じることで、子どもたちは楽しみながら自分の音を表現できます。
表現する喜びが自信になる
「自分の思ったことを音にする」
「その音を先生や家族が聴いてくれる」
こうした体験は、子どもにとって大きな喜びです。
そして「聴いてもらえた」「認めてもらえた」という安心感が、自然と自信に結びつきます。
まとめ
- 幼児期の表現力は「感じたことを音にする」ことから始まる
- 音楽には正解がなく、子どもそれぞれの感じ方が大切
- 体や色・物語と結びつけることで表現はさらに豊かに
- 表現する喜びは自己肯定感を育てる
ピアノレッスンは、ただ楽譜を読む時間ではなく、音を通して自分を表現する楽しさを知る時間です。
その体験が、子どもたちの未来の自信や挑戦につながっていきます。