〜“感じる力”が、子どもの未来をつくる〜
「感性」って、どんな力?
「感性が育つと、才能になる」
これは、私の教室がずっと大切にしてきた言葉です。
けれど、「感性ってなんですか?」と聞かれることも多いんです。
ちょっとふんわりしていて、つかみづらい言葉ですよね。
私の思う感性とは、
“目に見えないものを感じとる力”。
たとえば──
・絵本の登場人物の気持ちを想像できる
・音楽を聴いて色や情景が思い浮かぶ
・お友だちの「困ってる」に気づける
・夕焼けを見て「きれい…」と立ち止まれる
そんな「こころが動く瞬間」に気づけるのが、感性なんです。
感性は、「こころのセンサー」
感性が光る子どもは、まるで“人生のセンサー”が働く子。
「なんかイヤだな」「これが好きだな」
「こうしたら喜んでもらえそう!」
そんなふうに、心の動きに敏感な子は、
自分の気持ちにも、周りの人の気持ちにも寄り添えます。
そしてその感覚は、
豊かな表現力・ことばの力・集中力・創造力など、
あらゆる力の“根っこ”になります。
ピアノが、感性を育てる理由
ピアノは、「感じる力」を育てるのにぴったりの習いごとです。
音には“正解”がありません。
同じドの音でも、強く弾くか、そっと弾くかで、まるで違う表情になります。
「この音、どんな色に聴こえる?」
「どんな気持ちで弾いてみたい?」
レッスンの中では、そんな問いかけを通して、
“感じて考える”体験をたくさんしていきます。
それは、「正しく弾く」だけの学びではなく、
心の中のイメージを、音で表現する時間。
まさに、感性を磨く時間です。
感じる力が、生きる力へ
今は、情報があふれる時代。
でも「これが正解」というものがない時代でもあります。
だからこそ大切なのは、
“感じて、自分で考える力”。
感性がある子は、
「私はこう感じた」「こうしてみたい」と、
自分の中に軸を持って行動できます。
人の気持ちを想像しながら、
自分らしさを大切に生きていける。
感性は、そんな“生きる力”の土台なんです。
感性を育てる時間を、ピアノのそばに
子どもが「感じる」時間をたくさん過ごせること。
それが、これからの時代をしなやかに生きる力につながります。
「音を感じる」
「気持ちを色で表す」
「心を音で伝える」
ピアノレッスンは、そのすべてを体験できる場所。
子どもたちの“感じる力”を大切に育てながら、
その先の“才能”を、少しずつ花開かせていきたいと思います。
