私の教室のモットーは「レッスンほぼ完結」。
そう聞くと、「レッスンの中ですべてをできるようにさせるのかな?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、私が大切にしているのは、おうちでやってきてもやってこなくても、次のレッスンにちゃんと居場所があるという安心感です。
「やってきた」「やってこなかった」で差がつかないレッスン
もちろんレッスンでは、一人ひとりが理解できるように丁寧に指導します。
そして「じゃあお家ではここをやってみようね」と、取り組みのポイントも確認します。
でも、お家でやってこれなかったとしても大丈夫。
次のレッスンで「やってこなかったから同じことの繰り返し」ということはありません。
子どもの生活は日によってリズムが変わりますし、ご家庭の事情もさまざま。
だからこそ「やれなかった」と後ろめたく感じずに、安心して次のレッスンに来てほしいのです。
自由に弾くからこそ「正解のない練習」
私のレッスンでは、「曲を弾く」ことだけが練習ではありません。
たとえば…
- ルールをひとつだけ決めて、自由に弾いてみる(例:「3回だけ音を鳴らしてみよう」)
- 曲のイメージに合わせて音を作ってみる(例:「雨の日の感じで弾いてみよう」)
- 思いついたフレーズを書いてみる
こうした活動を通じて、子どもたちは音を“探す”楽しさを知ります。
そして何より、正解がないから自由にできるのです。
お家でピアノに触れるときも、これなら「違うんじゃない!」と親御さんがツッコミを入れる必要がありません。
むしろ「へぇ、そんな風に弾いたんだね!」と一緒に楽しむ時間になります。
そして、ルールを1つだけ決めたりすることで、自由≠何をしても良い、という社会でのルールも身につけていきます。
おうち練習に頼らない安心感
「ピアノの練習=家で課題をきちんとやること」と思われると、どうしても親子ともに負担になってしまいます。
でも、自由な活動や創作的な取り組みを交えながらレッスンを進めると、お家では弾いても弾かなくても大丈夫な形ができます。
「やらなくても置いていかれない」
「やりたいときに弾けばいい」
そんな安心感の中で子どもたちはのびのびと音楽に向き合えるのです。
共働き家庭にもやさしいピアノ教室
毎日練習を見てあげるのは大変。
特に共働きのご家庭では、それが大きな壁になってしまうこともあります。
私の教室では、レッスンの中でしっかり音楽を味わい、自由に弾く体験を持ち帰ることを大切にしています。
だから「家でちゃんと練習できないから…」と心配しなくても大丈夫。
子どもたちが「ピアノって楽しい!」と感じる気持ちを育むことが、将来の「やりたいから弾く」姿につながっていきます。
最後に
「レッスン完結」という言葉の裏にあるのは、安心して続けられるピアノへの思いです。
おうちでやってきてもやってこなくても、子どもたちが楽しくレッスンに通えること。
そして、親子が笑顔で音楽に触れられること。
そんな時間を、これからも大切にしていきたいと思っています。