目次
〜音で表現する体験が「わたしらしさ」を育てる〜
前回は「ピアノで育つ創造力」についてお話しました。
今日はさらに踏み込んで、創造力と自己肯定感の深いつながり を考えてみたいと思います。
自己肯定感とは?
自己肯定感とは、「私はこれでいいんだ」と自分を認められる気持ちのこと。
幼児期から小学校低学年にかけて、この土台がぐんぐん育っていくといわれています。
「自分の考えや表現を大切にしていい」と思えることは、この自己肯定感に直結します。
自分の表現を受け止めてもらう体験
ピアノは、実はとても簡単に音を出せる楽器です。
だからこそ、その”ひとつの音”でも表現はいかようにも変化させられます。
同じ「ド」の音でも、
- やさしく弾けばやさしい音
- 力いっぱい弾けば元気な音
子どもにとっては「自分の音を聴いてもらえた」ことが大きな喜びになります。
やさしい音とはどんな音でしょう?
一人ひとり感じるやさしい音、一人ひとり描くやさしい音、違って当たり前。
でも、「やさしいとは何かを考える瞬間」をもてたことで、心はほんの少し成長します。
そして「それでいいんだよ」と受け止められる経験こそが、自己肯定感を強く支えていくのです。
“できた”と“自分らしい”の両方が大切
自己肯定感を育てるには、ただ「できた」だけでは足りません。
- 楽譜が読めた!
- 両手で弾けた!
という小さな成功体験ももちろん大切です。
でもそれ以上に、
- 「この曲をこんな気持ちで弾きたい」
- 「こんな音を出してみたい」
という“自分らしさ”を認めてもらうこと、”自分らしさ”を伝えてよいと感じられる環境があることが、心の支えになります。
創造力があるから、自己肯定感が深まる
創造力が育つと、子どもは「表現の選択肢」を持てるようになります。
選択肢があるからこそ、「自分で選んだ音」「自分で作った表現」に価値を感じられます。
これが自己肯定感の根っこを太くしていくのです。
まとめ
- 自己肯定感は「私はこれでいい」と思える気持ち
- ピアノは「自分の音」を受け止めてもらう体験をくれる
- “できた”と“自分らしさ”の両方が、自己肯定感を強くする
- 創造力が自己肯定感を支える土台になる
子どもたちには、できた嬉しさも、自分らしい表現も、どちらも大切に味わってほしい。
その積み重ねが「未来に挑戦できる心」を育てていくと信じています。